提言活動(これまで発表した提言を紹介しています)
「広がれボランティアの輪」連絡会議では、1994年創設の翌年からこれまで15の提言を公表しています。
提言作成にあたっては、「広がれボランティアの輪」連絡会議構成団体のメンバーによる「プロジェクトチーム」を設け、事例を学び、お互いの考え方を出し合い、ていねいに議論を進めて文書にまとめていきます。
提言では、わが国のボランティア・市民活動を進めるため、時々の情勢や社会課題に対して具体的な実践を紹介するとともに、活動のあり方や考え方、各団体や関係機関のネットワークの必要性、そしてボランティア・市民活動施策の充実のあり方などを社会に発信してきました。
これまでに提言で発信した内容は、わが国の災害ボランティア活動の発展、NPO法(特定非営利活動促進法)制定などにつながっています。
「広がれボランティアの輪」連絡会議では、これからもボランティア・市民活動を推進する全国団体のネットワークとして、引き続き提言活動を行ってまいります。
最新の提言
2018年6月
社会的孤立や貧困、空き家問題に象徴されるように、さまざまな要素が複雑に絡み合っているなかで、現在のボランティア活動は、従来の地域に密着した「地縁型」の活動に加え、地域社会で特定の課題解決をめざす「テーマ型」の活動が、独自の強みを活かしながら地域の課題解決を進めています。
こうした現在の地域課題を、提言では「ごちゃまぜ」として認識し、多様な価値観や考え方を相互に尊重しつつ、解決に向けて知恵を出し合うことを通して、ボランティア活動を文化として根づかせるためのヒントを考えることとし、4つの視点で整理しました。
第1点は、これまで地域で積み重ねられてきた「草の根」の活動から学ぶ視点(「草の根」と「ボランタリズム」)、第2点は、その人自身の内発的な主体性をひらき引き出すエンパワメントの視点(ひらく=エンパワメント・主体性)、第3点は、人に出会い、活動が生まれ、展開される視点(拠点=居場所)、第4点は、人と活動、地域、そしてそれらが越境する仕組みとしての「つなぐ=コーディネート=中間支援」です。

過去の提言
2012年6月
東日本大震災で活動した団体へのヒアリング等をもとに、「ボランティア国際年+10推進委員会提言プロジェクトチーム」による検討にもとづいて、2012年6月に発表しました。
発災直後から現地入りした外部からの支援活動の内容、支援団体の動き、被災地での被災者同士の支え合い活動、被災地の外から支えた活動、団体同士の支え合い、専門職とのつながり、さらに復旧・復興を支える活動、非日常から日常へと向けた住民自身による自立支援・地域再生の取り組み、さらに活動の振り返り、活動者自信が自分の住んでいる地域と戻って、災害地での活動体験を地元でどのように生かすのかといった問題など、様々な角度からボランティアの価値を確認するとともに、活動推進の課題などを提示しています。
大震災の被災に対する救援、復旧、復興の取り組みを通して得られた教訓を確認する機会、さらにそこから日常のボランティア・市民活動にも通じる指針を見つける機会などで、教材として活用していただくことも想定して編集してあります。
