「広がれボランティアの輪」連絡会議 勉強会プロジェクト・チーム(PT)が企画・運営する勉強会「コロナ禍におけるボランティア活動のくふうを学び合う」を、2021年2月18日オンラインで開催しました。当日は「広がれ」構成団体メンバーをはじめ、ボランティア団体・個人、社協、生協、企業関係者など、約100名の参加者が実践報告から学ぶとともに、グループ討議(意見交換)を通じて交流を深めました。
◆あいさつ
上野谷加代子(「広がれボランティアの輪」連絡会議会長)
上野谷会長からは、コロナ禍のもとで進められているボランティア・市民活動の実践から学び、参加者みなさんの活動に活かしてほしいとのあいさつがありました。
◆3つの実践報告
ア.「子どもの学び・体験学習に関わる実践」
伊藤文康さん(海老名市教育委員会 教育長)
伊藤さんからは、コロナ禍においても子どもたちの学び・体験学習を保障していきたいとのもと、静岡県御殿場市にあるYMCA東山荘との連携により、感染防止に配慮して体験学習を行った経緯について報告がありました。
山根一毅さん(国際青少年センターYMCA東山荘 副所長)
山根さんからは、海老名市の子どもたちに提供したプログラムについて、感染防止の配慮内容を具体的に紹介しながら、密を避けるとともに、それらの活動を見守るおとなが留意すべき内容についても説明し、活動のポイントを報告しました。
イ.コロナ禍での病院ボランティアの実践
太田里美さん(日本病院ボランティア協会 理事)
太田さんからは、コロナ禍のもと、一時期活動を休止せざるを得なくなった病院ボランティア活動について、2020年12月から感染防止に留意して活動を再開したこと、また、活動で寄せられたボランティアへの感謝の声を紹介し、工夫しながらボランティアが関わることの重要性を報告しました。
ウ.コロナ禍での災害ボランティアの実践
井上綾乃さん(一般社団法人 ピースボート災害支援センター)
井上さんからは、7月豪雨災害時の支援活動を振り返り、コロナ禍によりボランティアの募集範囲を限るなか、感染を防止する苦悩・葛藤と、工夫・対策を行いながらの支援とともに、感染症による差別を生み出さない心がけについて報告がありました。
◆グループ討議
実践報告の内容をふまえ、グループに分かれ参加者どうしで情報交換を行いました。
◆参加・視聴したみなさんから
・子どもたちの自然体験の重要性を感じる日々のなか、コロナ禍でも子どもたちが体験できる場が大事だと考え、実際に取り組まれているのは素敵だと思った。
・教育長の「こどもたちの学びを止めてはいけない」「対策をとって実施することが大人の使命」との強い思いがとても印象的だった。
・コロナ禍の状況で目的を見失わず、創意工夫した実践をしていることに、ボランティアの熱量の大切さを感じた。
・病院ボランティアでは、不安な状況にいらっしゃる医療を必要とする患者へ寄り添うことを大切にした活動の存在を知ることができた。
・このような機会を与えていただき感謝。オンラインでなければ参加できなかった。全国の人々の話が聞けて大変参考になった。
◆当日は「広がれ」勉強会PTメンバーにより配信・運営
勉強会当日は、配信会場に勉強会PTメンバーが集まり、密を避けながら事務局と一緒に運営を行いました(日本生活協同組合連合会、日本赤十字社、全国農業協同組合中央会)。あわせて勉強会PTの他のメンバーも、自宅・職場から勉強会の運営をサポートしました。
◆開催概要
1.テーマ
「コロナ禍におけるボランティア活動のくふうを学び合う」
2.趣旨
少子高齢化、生活困窮や社会的孤立、在留外国人の増加などによる地域の多様化、地球規模での環境問題への対応など国内外で多くの課題が生じているなか、全国各地で課題解決や共生社会づくりをめざし取り組まれてきたボランティア・市民活動は、コロナ禍によりこれまでの活動展開が難しくなったり、活動の見直しを余儀なくされています。
わが国のボランティア・市民活動推進を進める団体で構成される「広がれボランティアの輪」連絡会議では、コロナ禍において、各地でどのようなくふうを進めながらボランティア・市民活動が展開されているのかを学ぶことで、活動を前に進めるとともに、Withコロナ、Afterコロナにおける社会とボランティア・市民活動のあり方を展望するため、勉強会を開催します。
3.日時・開催方法
2021年2月18日(木)14時~16時 オンライン(Zoom)により開催
4.参加対象
「広がれボランティアの輪」連絡会議構成団体、ボランティア・市民活動推進者 等
5.プログラム
(1)開会挨拶 上野谷加代子(「広がれボランティアの輪」連絡会議 会長)
(2)実践報告(各20分を予定/発表順は変わる場合があります)
ア.コロナ惨禍での子どもの学び・体験学習に関わる実践
・伊藤文康さん(神奈川県海老名市教育委員会 教育長)
・山根一毅さん(国際青少年センターYMCA東山荘 副所長)
コロナ禍のもと、地域では感染を防ぎ命を守るため、子どもたちの学びや体験学習などさまざまな活動に条件・制限がかかりつつあります。このようななか、地域・子どもたちの思いを大切にしながらの学びや体験学習を試行錯誤しながら取り組んでいる実践を伺います。
イ.コロナ禍での病院ボランティアの実践
・太田里美さん(日本病院ボランティア協会 理事)
感染患者を受け入れるとともに、入院患者の命を守る第一線の役割を担う各地の病院では、コロナ禍以降、それまで取り組まれてきた病院ボランティアの活動を行うことができなくなっています。これまで続けてきたボランティア活動をどのように継続していくのか、現状と今後について伺います。
ウ.コロナ禍での災害ボランティアの実践
・井上綾乃さん(ピースボート災害支援センター)
災害発災とともに、全国各地から多くのボランティアが被災地に駆けつけ、被災された方々への支援を行ってきました。しかし、昨年7月の豪雨災害では、感染拡大を防ぐため、地域を限定したボランティア募集と活動を続けざるを得ませんでした。そのなかでの活動のようす、今後について伺います。
(3)グループ討議(50分)
実践報告の内容をふまえ、グループに分かれ参加者同士で情報交換を行います。