「ボランティア全国フォーラム2021」を開催しました

2021年10月30日(土)・31日(日)(オンライン)

中央共同募金会「公益信託高橋保蔵記念福祉振興基金」助成事業


◆ボランティア推進者の学びの場として、3年ぶりに開催

ボランティア活動を進める人々が集い、学び、情報を交換し、これからの活動に向けて歩みを進める「ボランティア全国フォーラム2021」を開催しました。

「ボランティア全国フォーラム」は、2018年長野県軽井沢町・佐久地域での開催依頼、2019年の西日本豪雨災害、そしてその後のコロナ禍により開催を延期していました。今回、オンライン開催という状況でしたが、3年ぶりの開催となりました。

 

◆コロナ禍を乗り越えるボランティア活動をめざして

フォーラムの企画にあたっては、「広がれボランティアの輪」連絡会議に、NPO、国際支援、被災地支援、社協などのメンバーが入るプロジェクトチームを設けて、6月から検討を進めてきました。

プロジェクトチームメンバーの共通した思いは、コロナ禍のもと、コロナを乗り越える活動を学び、活動している人が元気になるプログラムをめざすことでした。

 

◆240名の人々がオンラインで集う

参加者は北海道から沖縄県まで240名、生協、赤十字、NPO、ボランティア連絡協議会、国際支援団体、大学、企業や労働組合、社協など、各地でさまざまな団体や役割を担っているみなさんが参加されました。

 

◆歴史から学び、コロナ禍を乗り越える活動を学ぶ

「てい談」では、わが国のボランティア・市民活動を牽引してきた、阿部志郎さん、岡本榮一さん、上野谷加代子さんから、現在、活動停滞を余儀なくされているボランティア・市民活動の現状をどのようにとらえ、これからどのように進んでいくのかの示唆をいただきました。

「パネルディスカッション」では、コロナ禍でもつながりを絶やさず、また支援を広げている活動実践を学びました。

また、7つの分科会で参加者のみなさんの興味・関心に応えました。オンラインという限界のなか、一方でオンラインゆえに、これまで参加が難しい遠方の地域のみなさんも参加しました。

「てい談」では、阿部志郎さん、岡本榮一さん、上野谷加代子さんが、それぞれのみなさんが歩まれた道を紹介しながら、コロナ禍を乗り越えるボランティア・市民活動について参加者にアドバイスとエールを送りました。


<参考資料>「ボランティア全国フォーラム2021」開催概要 

1.テーマ

コロナ禍を乗り越えるボランティア・市民活動 

2.趣 旨

 現在、少子高齢化、生活困窮や社会的孤立、そして地球規模での環境問題への対応など、国内外で多くの課題が生じています。これらの解決をめざし、これまで多くのボランティア・市民活動が、あまねく全国各地で、日々活動に取り組んできました。

 しかし、コロナ禍ではこれらのボランティア・市民活動の場を失う、また活動を休止せざるを得なくなる状況が生じました。一方、これまでのつながりを絶やさないため、くふうを凝らした取り組みが各地で模索され実践が続けられています。

 私たちは、ボランティア・市民活動をわが国のすみずみに文化として根づかせていくことが、誰ひとり取り残さない社会づくりにつながると考えています。ポストコロナ社会を展望しながら、これまでの各地の実践の工夫を持ちより情報を共有し、全国に発信していくことで、ボランティア・市民活動を一層進めていくことを目的に、「ボランティア全国フォーラム2021」を開催します。

3.主 催

「広がれボランティアの輪」連絡会議、社会福祉法人 全国社会福祉協議会

4.日 程

2021年10月30日(土)、10月31日(日) 

5.開催方法

すべてのプログラムについてオンライン開催(Zoomを使用) 

6.参加対象

ボランティア・市民活動を推進する人々(NPO、中間支援組織、協同組合、教育・青少年団体、ボランティア受入施設・団体、企業・労働組合、社協担当者等)、ボランティア・市民活動に参加している方、及び関心のある方 

7.参加費

・10月30日(土)・31日(日)の2日間参加  1,500円

・いずれか1日のみの参加  1,000円

※一度お支払いいただいた参加費は、原則として返金できませんのでご了承ください。 

8.プログラム

<10月30日(土)>

13:30~13:40(10分)  (1)開会・あいさつ

13:40~14:40(60分)  (2)基調てい談

14:50~16:30(100分)  (3)パネルディスカッション 

<10月31日(日)>

 9:30~12:00(150分)   (4)分科会

12:10~12:30(20分)  (5)全体会

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 第1日・10月30日(土)全体会

(1)開会・あいさつ(13時30分~13時40分)

・上野谷加代子さん(「広がれボランティアの輪」連絡会議 会長)

(2)基調てい談(13時40分~14時40分・60分)

コロナ禍により、ボランティア・市民活動の原点でもある「人とのつながり」「かかわりづくり」が大変難しい状況が続いています。このような状況のもと、わが国のボランティア・市民活動の歴史・活動に長くかかわり、さまざまな困難を乗り越えてきた阿部志郎さん、岡本栄一さんをゲストに迎えて、コロナ禍を乗り越えるために、そして今後のボランティア・市民活動をどのように考えるのか。上野谷加代子会長とともに考えます。

 <登壇者>

・阿部 志郎さん(社会福祉法人 横須賀基督教社会館 会長)

・岡本 榮一さん(社会福祉法人 大阪ボランティア協会 顧問)

・上野谷加代子さん(「広がれボランティアの輪」連絡会議 会長)

 (3)パネルディスカッション(14時50分~16時30分・100分)

基調てい談の学びをふまえ、今後のポストコロナ社会を展望した活動のあり方、そしてコミュニティ再興、ボランティアを文化として根づかせるために、どのようなことができるのか、現在実践を進めているパネリスト各自の活動・考えをふまえて意見交換を行います。

 <パネリスト>

◆地域に根ざした実践を続けている団体

大阪府豊中市・社会福祉協議会 都市型農園「豊中あぐり」メンバー

「すべての人に居場所と役割を」をモットーに、都市の共同ファーム(農園)として、コミニュティベースのボランティア・市民活動を活発に行っています。コロナ禍のもとでも、活動方法の工夫、活動スタイルの変化により感染予防を図りながら活動を継続しています。

 ◆コロナ禍でのニーズ増加、新たな課題が生じている活動分野の団体

東京都荒川区・あらかわ子ども応援ネットワーク 代表 大村 みさ子さん

食材が地域に届く仕組み、ネットワークづくりを進めています。SOSを出しにくい人々に届けることができるアンテナを持って実践を進めており、コロナ禍では、これまでボランティアによる支援対象となっていなかった人々ともつながり、寄り添っています。

 ◆アウトリーチの在り方が多様になったことでつながりが出ている団体

茨城県常総市・認定NPO法人 茨城NPOセンター・コモンズ 代表理事 横田 能洋さん

災害からの復興を進めつつある地域で、さまざまな動きやつながりの発展が生まれ、外国人支援、多文化共生の取り組みにつながっています。また、当事者だった外国人が支援者となり、街づくりの主体となって活動を進め、コロナ禍でも多くのアウトリーチが進められています。

 <コメンテーター>

・山崎美貴子さん(「広がれボランティアの輪」連絡会議 顧問)

<コーディネーター>

・原田正樹さん(「広がれボランティアの輪」連絡会議 副会長)

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 第2日・10月31日(日)分科会・全体会

(4)分科会(9時30分~12時)

 <第1分科会>

【コロナ禍】コロナ禍でもつながりを絶やさずに取り組むボランティア活動

 ◆分科会参加対象者のイメージ

コロナ禍のもとで活動が停滞し、活動先との調整やコーディネートが難しくなっている課題を抱えている推進者・推進団体

◆ポイント

ボランティア・市民活動の魅力の一つは「つながり」です。しかし、感染症拡大の影響を受けて、人と人がつながることをあきらめたり、関係性の分断が進んだりしています。「ボランティア・市民活動は不要不急か」という問いのもと、どのような状況下でも、つながりを絶やさず活動を続けるために、私たちができることを考える機会とします。

◆実践報告

・熊谷恵利子さん(大阪市 認定NPO法人 日本クリニクラウン協会 事務局長)

・林 裕さん、横平和美さん(広島市安佐南区 毘沙門台学区社会福祉協議会 会長/事務局長)

◆分科会進行

・永井美佳さん(社会福祉法人 大阪ボランティア協会 常務理事・事務局長)

・高橋良太さん(全社協 全国ボランティア・市民活動振興センター センター長)

<第2分科会>

【制度・政策】地域のつながりが希薄化するなかで、ボランティア活動ができること

◆分科会参加対象者のイメージ

制度の対象外のボランティア・市民活動に積極的に取り組んできた、及びこれから地域とのつながりを積極的に構築したい推進者・推進団体

◆ポイント

行政や民間のサービスが充実すればするほど、住民はそのサービスに頼るようになり、住民同士のつながりや相互扶助の意識が薄れる傾向にあります。しかし、現在の分野別の制度では、制度の間に落ち込み、必要な支援が受けられないとの声も多く聞かれます。コロナ禍で新たな課題が発生するなか、地域の結束力を再生し、誰も取り残さない共生社会の創造に向けて、ボランティアの可能性を考えます。

◆実践報告

・河合憲太さん(宮城県 JOCA東北 マネージャー)

・青木洋之さん(NPO法人にいがた若者自立支援ネットワーク・伴走舎 事務局長)

・隅田耕史さん(住民参加型在宅福祉サービス団体全国連絡会 副代表幹事)

◆分科会進行

・北野一人さん(公益社団法人 青年海外協力協会(JOCA)常務理事)

  <第3分科会>

【活動継続・担い手】生涯活躍をめざして人に喜んでもらうことが、私の喜び、そして元気の素

◆分科会参加対象者のイメージ

これまで進めてきたボランティア・市民活動を継続したい、また、活動を引き継ぐ人々がおらず、今後の活動に展望が持ちづらい推進者・推進団体

◆ポイント

長くボランティア活動に関わっている、熟年世代の皆さんが対象の分科会です。日々の活動で、そしてコロナ禍で、ともすれば活動への展望を見失ってしまいがちになっていませんか。この分科会では、コロナ禍でも工夫をしながら地域を元気にして、かつボランティア自身も元気を得ている実践者から、明日の活動への勇気をもらいます。

◆実践報告

おもちゃ図書館の取り組み・鈴木早苗さん(大阪府枚方市 牧野おもちゃライブラリー 代表)

老人クラブの取り組み・青山雅宏さん(大阪府交野市  交野星友クラブ連合会 会長)

オンラインサロンの取り組み・須田正子さん(埼玉県坂戸市  よりあい*ええげえし 事務局長)

 ◆分科会進行

・安藤雄太さん(東京ボランティア・市民活動センター アドバイザー)

<第4分科会>

【多文化共生】多文化共生を考える~コロナ禍での課題とボランティア・市民活動の役割~

◆分科会参加対象者のイメージ

外国にルーツのある方々の支援や多文化共生にかかわっている方、あるいは関心があり方、これから進めていこうと考えておられる方

◆ポイント

「広がれボランティアの輪」連絡会議、国際プログェクト・チームが検討を進めている、コロナ禍による在留外国人の環境変化(就労、学習、コミュニティ等)、そして支援団体の取り組みについて、これまでの当事者や支援者へのヒアリング調査・インタビューなどをふまえて、ボランティア・市民活動にできることを考えます。

◆実践報告

外国にルーツのある方・チョウチョウソーさん(東京都 NPO法人ミャンマー日本教育のかけはし協会代表)

支援団体・温井立央さん(埼玉県 クルドを知る会)

◆分科会進行

伊藤章さん(NPO法人ボランティア活動推進国際協議会日本(JAVE)理事長)

<第5分科会>

【災害からの復興】被災地の復興を支える~コミュニティ再興に向けたボランティアの関わり~

◆分科会参加対象者のイメージ

災害時の支援、コミュニティの復興に関わってきた、あるいは関心を持ったり、これから進めていこうと考えている推進者・推進団体

◆ポイント

毎年何らかの災害が発生しています。発災直後には各地からの支援が集まり注目されるが、時間の経過により支援は大きく変化しますが、被災者の復興に向けた取り組みは長期にわたる継続が必要です。

長期にわたりボランティアや住民の主体性を引き出し、活動を進め、維持するための工夫やあり方について検討する機会とします。

◆実践報告

被災から10年が経過したなか(東日本大震災)での活動事例

・福田信章さん(東京都 東京災害ボランティアネットワーク 事務局)

・菊池亮さん(岩手県 釜石市社会福祉協議会 地域福祉課長)

被災から10年が経過していない地域(熊本地震など)の活動

・岳中美江さん(熊本県 特定非営利活動法人バルビー 事務局長)

◆分科会進行

・青山織衣さん(大阪ボランティア協会 ボランティアコーディネーター)

 <第6分科会>

【企業・社員】企業・社員のボランティア活動を進めるために

◆分科会参加対象者のイメージ

企業の社会貢献、社員のボランティア活動を推進しようとしている企業・団体の担当者、あるいは企業とのつながりを強めたいと考えているボランティア推進者・推進団体

◆ポイント

「企業人から社会人へ」を合言葉に広がった、企業による従業員ボランティアの推進。社会やニーズの変化と共に、そのあり方、進め方も変化し、今、改めてその需要が双方から高まっています。コロナの蔓延をはじめ、変化する社会を読み解き、これからの従業員ボランティアのあり方、進め方について検討する機会にします。

◆実践報告

NPOの視点・嵯峨生馬さん(東京都 認定NPO法人 サービスグラント 代表理事)

社協の視点・河村暁子さん(東京都 東京ボランティア・市民活動センター 主任)

企業の視点・長澤恵美子さん(経団連 SDGs本部 統括主幹)

◆分科会進行

上田英司さん(NPO法人 日本NPOセンター 事務局次長)

<第7分科会>

【入門編】ボランティア・市民活動コーディネートセミナー

◆分科会参加対象者のイメージ

ボランティア・市民活動・NPOセンター等の中間支援組織・団体でコーディネートを担うボランティアコーディネーターや担当者

◆ポイント

日頃ボランティア活動を推進するなかでの戸惑いや悩みってありませんか?これってどう考えればいいんだろう…とか。コロナ禍における活動支援についても、ボランティアの本質や基本的な考え方をベースに持っていないと状況に振り回されるばかり。ここではボランティアとコーディネーションの基礎を学び、明日からの活動の土台を作ります。

◆講師・分科会進行

・後藤麻理子さん(日本ボランティアコーディネーター協会 事務局長)

・鹿住貴之さん(日本ボランティアコーディネーター協会 副代表理事/JUON(樹恩)NETWORK 事務局長)

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 (5)全体会(12時10分~12時30分)

 分科会の学びを参加者全員で共有し、今後のボランティア・市民活動の推進をめざします。

 (6)閉会(12時30分)

閉会・あいさつ

・原田正樹さん(「広がれボランティアの輪」連絡会議 副会長)


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「ボランティア全国フォーラム2021」開催要綱
ボランティア全国フォーラム開催要綱(10月15日現在).pdf
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