「ボランティア全国フォーラム2022」を開催しました!

2022年11月21日更新

【テーマ】今、あらためてボランティアのこれからを考える

【日 程】2022年11月18日(金)・19日(土) 

【会 場】東京ウィメンズプラザ(東京都渋谷区)/全国社会福祉協議会会議室(東京都千代田区) 


4年ぶりに会場参加方式で開催! 

ボランティア全国フォーラム2022では、「広がれボランティアの輪」連絡会議創設30年を迎える2024年に向けて、変化するボランティア活動の役割や課題を明らかにするとともに、これからの市民社会を展望したボランティア活動を考えました。ボランティア全国フォーラムとしては、4年ぶりの直接参加方式で開催し、2日間で延べ330人のみなさんが参加しました。


◆第1日・全体会(11月18日(金)/東京ウィメンズプラザ)

「キーコンセプトスピーチ」での対談のようす

「変化するボランティア活動とこれからの市民社会」をテーマに、変化するボランティア活動と、市民社会を創るためのボランティアの役割について、現状と考え方、ボランティア・市民活動推進者がめざすべき方向性について提案しました。

【登壇者】

・語り手 上野谷加代子さん(「広がれボランティアの輪」連絡会議会長)

・聞き手 田尻 佳史さん(日本NPOセンター 常務理事)

「オープンディスカッション(第1部)」のようす

仁平典宏さん(東京大学大学院教育学研究科(教育学部) 教授)を迎えてディスカッションを行い、変化するボランティア活動の役割とこれからの課題を考えました。

【登壇者】

・仁平 典宏さん(東京大学大学院教育学研究科(教育学部) 教授

・伊藤  章さん(国際ボランティア学生協会(IVUSA)理事)

・鈴木 訪子さん(おもちゃの図書館全国連絡会 理事長)

【進 行】

・田尻 佳史さん(日本NPOセンター 常務理事) 

「オープンディスカッション(第2部)」のようす

会場に加え、オンライン参加のみなさんからもチャットを通じて意見をいただき、議論を進めました。

【登壇者】

・後藤麻理子さん(日本ボランティアコーディネーター協会事務局長)

・高橋 良太さん(全社協 全国ボランティア・市民活動振興センター長)

【進 行】

・阿部陽一郎さん(中央共同募金会 常務理事・事務局長)

・永井 美佳さん(大阪ボランティア協会 事務局長)

【会場からのコメント】

・仁平 典宏さん

「サマリーコメント」のようす

第1日の議論を通じて得られたこと、ボランティア・市民活動推進者、活動者が留意していくことを、要約してまとめました。

【登壇者】

・山崎美貴子さん(「広がれボランティアの輪」連絡会議 顧問)

全体会参加者のみなさんの声

・仁平さんからの、統計データを用いたボランティアの現状分析は大変参考になった。

・仁平さんの説明を聞いて、データを根拠にした考えなど、自らの課題もよく分析し取り組むことが必要であると感じました。

・永井さんからの課題提起「所属はしたくないけれど、何かしらのボランティアはやってみたいという人がいる。その進め方をアップデート(進化)させることが重要」との意見は、大切な感覚だと思いました。

・「ボランティア活動は運動である」との発言から、私は、人の生き方への視点を持つこと、人づくりという見方も必要であると思いました。

・会場参加者からの「広がれボランティアの輪と言いつつ、ボランティアが広がっていない」との指摘に、その通りと感じました。ボランティア推進団体に務める者として、何ができるのかを考えていかなければならないと思いました。

・山崎さんの「共感する力をトレーニングすることが大切」が印象に残りました。


◆第2日(11月19日(土)/全社協会議室)

分科会では「多文化共生」「広報」「居場所」「若者」「社協ボランティアセンター」の5つの分野を設けました。

第1日・全体会での議論をふまえ、分科会では実践報告、コメンテーターなど、登壇者のみなさんから学ぶとともに、参加者のみなさんの日頃の活動について情報共有を行いました。

参加者のみなさんが、これからの各自の地域・分野ででボランティア・市民活動を進めていく上での学びにつなげることができました。

分科会参加者のみなさんの声

・コロナ禍で減ってしまったり、終わってしまったものも多くあるなかで、生まれたり、始まったりしたことも多くあります。暮らしや社会のなかで、環境変化に対応し、柔軟に活動を進めることが大切であることを実感しました。

・ボランティア活動の推進にいて、自分だけで背負い込もうとしていましたが、仲間と、住民と一緒に考えていけばよいことを学びました。志高く仕事をしていきたいと思いました。

・広報の分科会、生協の白石さんはもとより、すべての発表者のみなさんから意義ある話が聞けました。広報活動では、顔の見える関係づくりを大切にします。

・多文化共生の分科会では、実践報告の方から活動で大変なところなども率直にお話いただき、活動について理解を深めることができました。

・「私もボランティアコーディネーターの一人なんだ!」という思いを持ちました。

・社協職員として、福祉関係者だけではなく、他分野・業種とつながり、地域のつながりを広げてもらえるようなきっかけづくりを進めていきたいとの思いをあらためて感じました。


◆「ボランティア全国フォーラム2022」プログラム

テーマ・趣旨・会場など

1.テーマ

今、あらためてボランティアのこれからを考える

 

2.趣 旨

時代の変化や社会課題の多様化により、ボランティアを取り巻く環境は大きく変化してきました。現在、自己実現を得るための取り組みをはじめ、社会変革を求める取り組み、地域課題を解決する取り組み、地域住民の役割としての取り組み、生活者の責任としての取り組みなどのすべてが、ボランティア活動として取り組まれています。

一方、持続可能な取り組みを維持するために活動の事業化が進むことで、主な担い手がボランティアではなく有給のスタッフとなり、結果として市民参加の機会が限定的になりつつある状況も生じています。また、地方では人口減少や少子高齢化などさまざまな問題を抱えるなか、従来型の地域の助け合い活動も維持することが難しく、新たにボランティアを広げることも容易ではない状況があります。国では多様な課題解決のために、公助から自助・共助による課題解決のあり方を打ち出しています。

ボランティア全国フォーラム2022では、「広がれボランティアの輪」連絡会議創設30年を迎える2024年に向けて、これらの変化するボランティア活動の役割や課題を明らかにするとともに、これからの市民社会を展望したボランティア活動を考えます。

 

3.主 催

「広がれボランティアの輪」連絡会議/社会福祉法人 全国社会福祉協議会

 

4.日 程

2022年11月18日(金)/11月19日(土) 2日間

 

5.開催方法

会場参加により開催(第1日(11/18日(金))の全体会、11/19(土)の第1・第4分科会はオンライン(Zoom)参加できます)

 

6.会 場

第1日(11/18日(金))東京ウィメンズプラザ(東京都渋谷区神宮前5-53-67)

最寄駅:東京メトロ 表参道駅

第2日(11/19日(土))全国社会福祉協議会 会議室(東京都千代田区霞が関3-3-2新霞が関ビル)

最寄駅:東京メトロ 虎ノ門駅/霞ケ関駅/国会議事堂前駅 


プログラム

第1日 11月18日(金)13:30~17:00 全体会(会場参加/オンライン参加)  

 <全体会「今、あらためてボランティアのこれからを考える」>

■13ː30~14:00(30分)キー(鍵)コンセプトスピーチ■

「変化するボランティア活動とこれからの市民社会」

変化するボランティア活動と、市民社会を創るためのボランティアの役割について提案します。

【登壇者】

・語り手 上野谷加代子さん(「広がれボランティアの輪」連絡会議 会長)

・聞き手 田尻 佳史さん(認定NPO法人 日本NPOセンター 常務理事)

 

■14:00~ 15:10(70分)オープンディスカッション(第1部)■

登壇者(ボランティア活動の場に直接携わる方々、及び学識者)による討論と、主に会場参加者の質疑から議論を深めます。

【登壇者】

・仁平 典宏さん(東京大学大学院教育学研究科(教育学部) 教授/『「ボランティア」の誕生と終焉〈贈与のパラドックス〉の知識社会学』(名古屋大学出版会)著者)

・伊藤  章さん(NPO法人 国際ボランティア学生協会(IVUSA)理事)

・鈴木 訪子さん(認定NPO法人 おもちゃの図書館全国連絡会 理事長)

【進 行】

・田尻 佳史さん(認定NPO法人 日本NPOセンター 常務理事)

 

■15:25~16:35(70分)オープンディスカッション(第2部)■

第1部の議論をふまえ、第2部では登壇者(ボランティア活動を推進する方々)による討論と、主にオンライン参加者の質疑から議論を深めます。

【登壇者】

・後藤麻理子さん(認定NPO法人 日本ボランティアコーディネーター協会 事務局長)

・高橋 良太さん((社福)全社協 全国ボランティア・市民活動振興センター長)

【進 行】

・阿部陽一郎さん((社福)中央共同募金会 常務理事・事務局長)

・永井 美佳さん((社福)大阪ボランティア協会 事務局長)

【会場からのコメント】

・仁平 典宏さん

 

■16:35~17:00(25分)サマリー(要約)コメント■

【登壇者】

・山崎美貴子さん(「広がれボランティアの輪」連絡会議 顧問)

 

17:00 第1日終了 


 第2日 11月19日(土)9:30~12:00 分科会

(会場参加のみ/ただし第1・第4分科会はオンライン参加可能(Zoom)) 

 

<分科会(第1分科会~第5分科会)>

 ■第1分科会■(オンライン併用)

多文化共生を考える~地域の支援者として活動する外国ルーツの人々を支える~

外国ルーツの人々や団体が、地域で暮らしていくなかで、「支援を受ける立場」から「支援する側」としてボランタリーに活動する実践が各地で取り組まれています。本分科会では、活動のきっかけ、活動を進める上での地域社会との軋轢や葛藤の克服、現状や課題と可能性を実践報告を通じて明らかにし、多文化共生推進のためにボランティア・市民活動にできることを考えます。

【コメンテーター】

・上野谷加代子さん (「広がれボランティアの輪」連絡会議 会長/中央共同募金会 外国にルーツがある人々への支援活動応援助成 審査委員長」)

【実践報告】

・横田 能洋 さん (茨城県 認定NPO法人 茨城NPOセンター・コモンズ 代表理事)

・石川 美絵子さん (東京都 (社福)日本国際社会事業団 常務理事)

・松井リリアンさん (神奈川県(社福)横浜YMCA福祉会 認定こども園YMCAいずみ保育園 保育士)

【進  行】

・伊藤  章 さん (NPO法人 ボランティア活動推進国際協議会日本(JAVE)理事長)  

第1分科会の詳細はこちらにも紹介しています。あわせてご覧ください。

 

■第2分科会■

あらためて学びたい、ボランティア・市民活動にとっての「広報」の大切さ

ボランティア・市民活動団体にとって、団体の活動を支援者に紹介していくことは、活動への理解や共感を広げるとともに、団体の活動を支える基盤にもつながります。また、支援者として関わるきっかけとなるかもしれません。この分科会では、ボランティア・市民活動団体が進めている広報について、活動実践におけるコミュニケーションのあり方を学びます。

【講義・コメンテーター】

・鹿野由利子さん (PRコンサルタント/千葉大学特任准教授(広報戦略担当))

【実践報告】

 (1)You tubeチャンネル 立川社協動画チャンネルの取り組み

 ・小林 伸匡さん (東京都 (社福)立川市社会福祉協議会 ボランティア・市民活動センターたちかわ 主事)

 (2) SNS (Twitter・Instagram・Facebook など)による共感獲得をめざして

   ・早野秀之さん、坂田 朋子さん (東京都(公財)風に立つライオン基金 事務局)

 (3)学生・若者にひびくPR・広報と距離の縮め方

 ・白石 昌則さん (日本生活協同組合連合会 営業本部 関西支所) ※東京農工大学生協職員時代「生協の白石さん」として活躍

【進  行】

・「広がれボランティアの輪」連絡会議 企画・広報プロジェクトメンバー

 

■第3分科会■

居場所が拓く地域の絆~地域の人々がつながり、新たに歩むための包摂の場所づくりとこれから~

地域に居場所を設け、地域のさまざまな世代が交流することで、気づきやニーズを発見し、解決に向けて取り組む活動が全国で進められています。持続可能な地域づくりや利用者が抱える困難・課題を解決するために、多くの人々・団体がつながり、地域を縦割りではなく横串をさしていく居場所の活動は、地域をどのように変え、また、変える可能性があるのでしょうか。実践とディスカッションを通じて学びます。

【コメンテーター】

・平野 覚治さん (一般社団法人 全国食支援活動協力会 専務理事)

【実践報告】

・栗野 泰成さん (東京都足立区 一般社団法人チョイふる 代表理事)

・柳澤 正敏さん (長野県上田市 (社福)まるこ福祉会 理事長)

・松本真由子さん (高知県黒潮町 NPO法人しいのみ あったかふれあいセンター にしきの広場 コーディネーター)

【進  行】

・鈴木 訪子さん (認定NPO法人 おもちゃの図書館全国連絡会 理事長/元・荒川区社協職員)

 

■第4分科会■(オンライン併用)

若者の活動者・推進者のホンネを聴く~若者との上手な付き合い方再考~

主に10歳代から20歳代前半の若者が、彼・彼女らの視点で取り組むソーシャルなチャレンジ、自らが主体的に考え切り拓くボランティア活動や提言活動、社会参加活動の実践から学びます。また、若者の取り組みを応援し、協働する推進者が、どのようなまなざしを若者に向け、向き合っているのかについて話を聴きます。持続的な地域や社会の未来像に向け、自身の若者との付き合い方について再考し、実践のヒントを得る機会とします。

【コーディネーター】

・都築 則彦さん (千葉県NPO法人おりがみ理事長/千葉大学大学院人文公共学府博士後期課程)

【事例報告】

・杉本 昂熙さん(千葉県 学生団体おりがみ 代表)

・あや   さん(東京都 NPO法人サンカクシャで関わる若者メンバー)

・田中 美穂さん(広島県 カクワカ広島〜核政策を知りたい広島若者有権者の会〜 共同代表)

【若者応援団によるてい談】

・都築 則彦さん

・荒井 佑介さん (東京都 NPO法人サンカクシャ代表理事)

・安彦恵里香さん (広島県 カクワカ広島〜核政策を知りたい広島若者有権者の会〜 発起人)

【進  行】

・笈川 卓也さん ((社福)中央共同募金会 基金事業部 副部長)

・永井 美佳さん ((社福)大阪ボランティア協会 常務理事・事務局長)

 

■第5分科会■

社協ボランティアセンターの「いま」と、これからのあり方を考える

社協ボランティアセンターは、従来のボランティア領域にとどまらず、有償の市民活動やコミュニティビジネスなどの活動形態の広がり、NPO法人や一般社団法人、株式会社などボランタリーな活動に取り組む主体も多様化するなかで、これからの方向性を定めにくくなっている面があります。社協ボラセンは、これから何をめざし、どこに重点を置き、事業を進めていくのか、実践に関わるみなさんと考え、学び、今後の実践に活かします。

【コーディネーター】

・後藤麻理子さん (認定NPO法人 日本ボランティアコーディネーター協会 事務局長)

【実践報告】

・駒田 祥子さん ((社福)富山県黒部市社会福祉協議会 くろべボランティアセンターボランティアコーディネーター)

・中田 繁美さん ((社福)愛知県豊田市社会福祉協議会 常務理事・事務局長)

・坂上 尚大さん ((社福)大阪府阪南市社会福祉協議会 地域福祉グループ主任/第一層生活支援コーディネーター)

 

12:00 第2日終了